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ロンドンの英語に関する5つの神話

ロンドンで話される英語の事情は複雑ですが、常に変化し続けていると言う点でとても魅力的です。

ロンドンの英語について、その5つの神話を取り上げてみます。

 

1. 誰もがクイーンズ・イングリッシュを話している

ほぼ間違いなくクイーンズ・イングリッシュは、イギリス英語、もっと正確には容認発音(イギリス英語の伝統的な事実上の標準発音-Received Pronunciation (RP))の基準とされています。
このアクセントは上流階級で話されたり、自分をよく見せたい時に話されている品のあるものです。
しかしながら、21世紀の英国ではこのアクセントを話す人が減ってきており、クイーンズ・イングリッシュを話しているのは人口のたった3%ほどだとという社会言語学者もいます。
容認英語がイングランド南部や南西部で他のアクセントとともにもっとも著しく話されていると同時に、その上品さが一転し、今では古くさくてエリート主義なアクセントだと思われています。

 

2. BBCイングリシュこそが、習うべき英語である

英語を聞くのに、BBCにチャンネルを合わせるよりも良い方法はあるんでしょうか?
クイーンズ・イングリッシュと同じように、21世紀になるまでは、ニュースでアナウンサーが話す英語のような全国エリアの真面目な番組では、常にRPアクセントが聞けました。
しかし、このアクセントを話す人が減るにつれ、このような真面目な番組も、今ではイギリスの多種多様なアクセントを象徴する人々によって進行されています。
ですから、BBCイングリッシュを学びたいというのでは伝わらないのです。
あなたは、どのBBCイングリッシュを学びたいですか?

 

3. もしロンドンに住んでいて、エリザベス女王のような英語を話さないのなら、あなたはコックニー話者に違いない

コックニーは、未だにロンドンで生き残っています。
セント メアリ ル ボウ教会の鐘の音が聞こえるエリアに住む労働者階級のアクセントとして伝統的に認知されていて、
著名な音声の特徴がありますが、ライミング・スラングとして知られる秘密の言語ととしての方が有名です。
では真実です。よく使われているこのアクセントですが、生まれた場所に関係なく話されており、特にロンドンのどのエリアで育った人にも話されています。
しかしRPかコックニーのどちらかというわけではありません。最近では、グレーター・ロンドンエリアに住む多くの人がコックニー訛りの弱い英語、おそらくライミング・スラングを少なめに使いながら英語を話しています。この英語はエスチュリー英語(河口域英語)として知られています。RPに近くもあり、コックニーの要素も入っており、河口域英語は南東イングランドの標準英語だと言われています。

 

4. ロンドンの英語は、イギリス人の英語である

間違いです。ロンドンは多民族の国際都市として世界中の人々を魅了するため、イギリスに由来しない英語に出くわすのは、日常的なことです。
カリブ海や東南アジアからのたくさんのネイティブスピーカーがロンドンに移住し、彼らの英語を使い続けます。いろんなインド英語やジャマイカ英語はこのカテゴリーに入ります。
イギリスで生まれ育った彼らの子供たちは、地元の仲間が話す英語を身につけるでしょう。それは、Bowで何世代も住んでいる家の少年が話す正真正銘のコックニーに聞こえるでしょう。
そして、リングワ・フランカ(共通語)として多種多様な英語があります。いろんな国のノンネイティブスピーカーが、ゴールや目標に向かって毎日英語を話しています。
では、何が本物のロンドンの英語なのでしょうか?見つけてください!

 

5. ロンドンの英語は、他の地域の『ブリティッシュ・イングリッシュ』と基本的には同じである

クイーンズ・イングリッシュ、エスチュリー英語、コックニー、またはそれらを混ぜたような英語など、あなたがどの英語を話すのであれ、イギリス全域で英語は同じように話されているわけではありません。イギリスのほとんどのネイティブスピーカーが、他の地域からきたアクセントを簡単に理解し聞き分けられるのが事実であると同時に、実際に話されている豊かで興味深いたくさんの地方アクセントがあります。『ブリティッシュ・イングリッシュ』というようなものは存在しません。エディンバラで生まれた人の英語には、ベルファスト、カーディフまたはロンドンで生まれの人とは違うアクセントがあるでしょう。語彙や文法はイギリス国内ではほぼ同じですが、この小さな国イギリスは、多くの地方アクセントの故郷です。誰かが『ブリティッシュ・イングリッシュ』を勉強してるのか尋ねたら、こう言ってください。
『Which one?!』

 


2018年05月04日